Motion Factory, Gaité Lyrique

「モーション・ファクトリー」という展示のオープニングで、デジタル系アートセンターのゲーテ・リリックへ。行ってみたらコマ撮りアニメを特集した展示でした。コマ撮りの実演もしていて、なんというか、3分の映像に3年かける、ような世界でまったく頭が下がります。

このゲーテ・リリックというのが、デジタル系の施設ながらサロンに行ったらこってこてのフランス装飾でギャップに驚くわけですが、どうやらもとは同名の劇場だったようです。
最初は18世紀に建てられた劇場で、タンプル大通り、つまり11区のレピュブリック広場付近にあったのがのちに現在の3区に移築され、最盛期にはディアゲレフのバレエ・リュスの舞台になったようです。て、全部ウィキペディアに載っていたことですが。 

ここまで読んで思ったのは、そういえばThéatre de l'Ambiguはどこにあるのだろうか?ということでした。私がこのところ調べている、写真の発明家の一人、ダゲールはもともと劇場で背景画などを描いていた美術さんで、勤めていたのがThéatre de l'Ambiguというところだったようで。日本語だとアンビギュ=コミック座、と言うみたいです。ダゲール博物館に行ったとき、背景画の下書きとして彼が書いた油彩があったのですが、ほんとうに背景に使われた大きいものはどこにあるのか、と訊いたら「たぶん燃やされた」と言っていました。レピュブリック広場のジオラマ館の火事のことかもしれません。ともあれ絵とはいえ巨大なものなので、保存されていたらすぐにわかるでしょう。
https://maps.google.com/maps?ll=48.86875,2.358611&spn=0.01,0.01&q=48.86875,2.358611&hl=fr

いまはぜんぜんちがう建物になっているみたいです。レピュブリック広場の近くで、いわれてみれば何度も通ったことがある場所ですが、それにしてもこの界隈は劇場が多かったんですね。このタンプル大通り、別名「犯罪大通り」はそういえば「天井桟敷の人々」にも出てきます。だいたいこういう感じの場所だったんですね。