キノコが載っています

DDD Vol.39 2009年12月号p.102 乗越たかお『ダンス獣道を歩け』に「キンシーズ!」の写真と、乗越さんによるコメントが載っています。
「架空の書物について書かれた書評集」として書かれた小説『完全な真空』(スタニスワフ・レム著)を思わせる、というコメントでした。
この公演でやろうとしたことが「伝わった」という点で個人的にたいへんうれしい、です。スタニスワフ・レムと比されることが、どう「伝わった」ことになるのかは説明が長くなるので略しますが、ともかく不器用な公演ながら目指すところをぼんやりとでも共有できたことが望外の喜び、でした。
もっとも、これは乗越さん自身が、作り手が何と言ってもらいたがっているのか、ということを汲取るのがたいへん巧みだから、ということかもしれないですが。乗越さんは「ダンストリエンナーレ トーキョー2009」のディレクターで、最近は『どうせダンスなんか観ないんだろ!?』というダンス評論の本も出版されている、がちがちにダンス畑の方なので、村上が何をしようとしているのか、ということには正直関心がないだろう、と思っていたのですが、そんなことはなくて相手が誰だろうと「褒めて伸ばして」くださる方のようでした。

DDD (ダンスダンスダンス) 2009年 12月号 [雑誌]

DDD (ダンスダンスダンス) 2009年 12月号 [雑誌]

どうせダンスなんか観ないんだろ!?―激録コンテンポラリー・ダンス

どうせダンスなんか観ないんだろ!?―激録コンテンポラリー・ダンス


また、美術ジャーナリストの村田真さんが、artscapeに短評を書いてくださいました。
http://artscape.jp/report/review/author/1192002_1838,1,list1,4.html
いろいろと「その通り」なことが書いてあって、ええ、私も自分の作品でなかったらこういう短評を書いたかもしれない、と思います。
カバコフの彫刻に影を落とす、というのは農舞台を知り尽くした照明さんの提案で、私の功績ではないです。
ワンダーサイトの活動報告にも書いたとおり、私の仕事は「架空の話をつくる」ことが主で、その後のプロセスにおいてはそれぞれ「その道の人」の方の提案を容れつつ話を実現しようとしたので、私の発想にはないことがどんどん入ってきて、それが面白くもありました。むろん、最終的な責任を負ったりするのは村上になるわけで、それが、(匿名で作品を発表した)3年前のキンシーズ!とは異なるところです。
http://www.tokyo-ws.org/residence/2009/05/post-169.shtml
関係ないですが、イリヤ・カバコフは水戸芸術館での「シャルル・ローゼンタールの人生と創造」という、架空の芸術家の展覧会で知られる方なので、尊敬するカバコフさんの彫刻とキノコが図らずも「共演」できて光栄でありました、個人的に。