デジタル・オイル・ペインティング展

hanakoblog2010-01-05

油絵のシミュレーターを紹介する展覧会です。私は藤幡研としてすこし(ほんとうにすこし)関わりました。関連企画「俺のモナリザ展」にも参加予定、です。
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2009/crest/crest_ja.htm

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デジタル・オイル・ペインティング展
―油画描画シミュレータを使って―
東京藝術大学東京工業大学
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会期: 2010年1月6日(水)-1月20日(水)
1月12日(火)休館
午前10時〜午後5時(入館は閉館の30分前まで)
会場: 東京藝術大学大学美術館 B2F 展示室2
油画という呼び名は、絵の具の定着に油を用いた絵画の名称ですが、同時に西欧絵画の代名詞として使われてきました。当時、墨を中心とした絵画の伝統の中にあった日本美術界にとって、油をメディウムにした絵画には少なからず驚かされ、そこに新しい時代を感じたに違いありません。しかしながら、これに対して現代では技術が新たな脅威となりつつあり、デジタルの向こう側とこちら側といった分離が生まれています。
東京藝術大学東京工業大学は、2004年から油画をコンピュータ上でシミュレートするソフトウエアの開発を行ってきました。これは、絵具・筆・キャンバス間の相関関係をアルゴリズムによってモデル化し、コンピュータ上でリアルタイムに油画描画を実現するペイント・ソフト「OPS:油画描画シミュレータ」です。これまでのペイント・ソフトが2次元配列の画素(ピクセル)をベースにした、いわば色指定ソフトであったのに対して、このシミュレータでは各画素が3次元の立体データとして定義されており、絵の具がキャンバスと筆の間を物理的に移動する様を計算によって実現しています。そのために絵の具が垂れたり、盛り上がって固まるといった油画特有の表現が可能になっています。色もまた、これまでのようなRGB3色ではなく、スペクトラムによって定義されており、絵の具の表面と底面を別々に定義できるために、重ね塗り等における色彩のリアリティーが飛躍的に向上しました。
デジタル技術の奴隷になるのではなく、デジタルの持つ革新性を、表現の深さにつなげるために続けて来た両学の共同研究の成果を、このシミュレータによって描かれた作品とともに、その開発研究の背景や活動を合わせて、展示いたします。

※本展示は、「デジタルメディアを基盤とした21世紀の芸術創造」研究プロジェクト、独立行政法人科学技術振興機構JST)戦略的創造研究推進事業(CREST)の一環として開催されています。

観覧料: 無料
主催:東京藝術大学 大学院映像研究科 メディア映像専攻 藤幡研究室
美術学部 絵画科 油画技法材専攻 佐藤研究室
東京工業大学 情報理工学研究科 計算工学専攻 中嶋・齋藤研究室
協力:ホルベイン工業株式会社
関連企画:
OPS:油画描画シミュレータ」講座
第1回:1月9日[土]/1月16日[土]14:00〜15:30
第2回:1月10日[日]/1月17日[日]14:00〜15:30
参加費無料 事前登録 (先着順10名)
会場:東京藝術大学 大学美術館 B2F 展示室2
開発スタッフがソフトウェアの使い方を丁寧に指導し、講座で制作した作品はデータとして持ち帰ることがます。
*参加ご希望の方は、下記アドレスに件名を講座名にして事前にご連絡ください。会場にスタッフが常駐しておりますので声をかけて下さっても結構です。
E_mail:ops@mxa21.jp

関連企画:
油画技法材料研究室関連企画「俺のモナリザ展」
日時:2010年1月12日(火)〜15日(金) 9:00〜19:30(最終日は18:00まで)
会場:東京藝術大学 上野校地 音楽学部内 大学会館2階 展示室