捨て身の喜劇―The Advocate for Fagdom,Angélique Bosio,2011(Pink Screen Film Festival in Brussels,Cinéma Nova)

ピンクスクリーン映画祭というのがあるので行ってきました。日本でいう「ゲイ・レズビアン映画祭」のようなものかなと思って行ってきたのですが、ブリュッセルのミニシアター系映画館何館かで1週間そっち系の映画ばかり上映する、アングラで手作り感のある映画祭でした。Cinema Nova という場所が、ブリュッセルのグランプラスからたいして遠くない、けっこう中心地にあるのですが、外観はご覧のとおりなかんじで中に入るとむき出しのレンガ壁にスクリーンが吊ってあって、イスはまあまあ柔らかいけれどたぶん空調がなくて夜になるとだんだん寒くなってきてアングラ感が似合っていました。
agnès.bが応援し、スパイラルホールで華やかに上映される東京のとはだいぶ雰囲気が違うけれど、ゲイカップルがみんな手を繋いで連れ立ってやってくる感じは同じです。

今日は映画祭の最終日らしく、スタッフ紹介とかもあって、それがぜんぶフランス語とフラマン語で行われるので時間が倍かかるのだけど、今年は10周年の節目の年を祝っていて、夜中にはパーティーもあるらしく(行かなかったけれど)けっこう盛り上がっていました。
上映作品"The Advocate for Fagdom"はBruce La Bruce の伝記物で、そういえば浅草のツタヤでなんとなく借りた"No Skin Off My Ass"の監督がこの人のようでした。

なんかノリとしてはこないだ紹介したWAR!の映画ににていて、本人をはじめ当時の俳優とか他の監督にインタビューをしていて(ハーモニー・コリンとかガス・ヴァン・サントもでてきた)、下品だったり過激だったりするシーンがありつつもBruce本人がジュディー・ガーラントの格好をして田舎町でイケてる何かを探すシーン(うろ覚え)はけっこうおかしくて、ゲイ映画というのはほんとうに捨て身の喜劇なんだなと納得して帰ってきました。