Rheinmetall, Mercedes, Olivetti, Remington Rand






学校にあったいろんなタイプライター。いろんな会社のがあってたのしい。Rheinmetall、で検索したら戦車とかをつくっている軍需会社のHPがヒットしたのだけど、どうやらタイプライターのみならず蒸気機関車や貨物車、農耕機具や計算機もつくっていたらしい。おなじ金属でできているわけだから、ぜんぶ同じメーカーがつくっているというのはありそうな話。
しかし一方、Mercedesのタイプライターは有名な車の会社とは一切無関係のベルリンの会社で、1930年代までわりと量産されてアメリカでも販売されていたのだけれど第二次世界大戦で生産が中断してその後は東ドイツ領になって別の会社に吸収されたらしい。
Olivettiは言わずと知れたイタリアの有名な会社で、エットレ・ソットサスがデザインしたValentineという真っ赤なタイプライターが有名になった。これがたいそう売れたみたいなのですが、この会社は家族経営でそれがうまくいかず、いろんなところに買収されていまはテレコム・イタリアの子会社になっているらしい。
さいごのRemington Randは、もともとミシンやピストルを作って行った会社がタイプライターのキーの配列を初めてQWERTY配列にして売り出して、それで流行った会社。QWERTY配列になったのは、もともとタイプライターてアームがこんがらがらないための工夫とされているけれど、日本語版のwikipediaではそれに異議を唱える説が紹介されていて一瞬はっとしたのですが、その異議にすぐ異議が載っていて、要はちゃんとした異議ではないようなのでやっぱり「アームがこんがらがらないための工夫」なのでしょう。このレミントンランドという会社は現在バローズ社に吸収合併されてユニシス社となっているそうなのですが、バローズ社、というのはジャンキー小説家のウィリアム・S・バロウズの祖父が作った計算機会社のことのようです。バロウズの本で、おじいちゃんが実業家だったので若い時はお金の苦労とは無縁であった云々と読んだ記憶は確かにあるのですが、思いのほか立派な会社だったようです。
金属でできているだけあって、軍需産業とはなかなか縁の深いものなのだなとおもって「タイプライターと機関銃」みたいな本はあったりしないかと思っていたらこの名著があった。

グラモフォン・フィルム・タイプライター

グラモフォン・フィルム・タイプライター