第四回能楽事始

hanakoblog2009-10-15

このところ宣伝ばかりで恐縮ですが、やっぱりまた宣伝です。私は関わっていませんが、学生向けの能楽鑑賞の企画です。日本の学生の多くが能を観たことさえないのは嘆かわしい、ということで東大の学生が中心になって運営しています。学生向けだからといって水でたっぷり薄めたような内容ではなく、初めてだからこそ本物を観てほしいと、野村萬、宝生閑、友枝昭世といった巨匠の舞台を観せてくれる、ありがたい企画です。

蛇足ですが、英語表記を見ると出演者の欄に"Soroibumi"とあって、、、、"Soroibumi"という人が出てくるのを期待してしまいそうです。
http://www.student-noh.org/index.htm
http://www.student-noh.org/english.htm



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第四回能楽事始
野村萬 宝生閑 友枝昭世 そろいぶみ

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狂言「箕被」
能「葵上」

公演日: 2009年12月16日水曜日
時間: 17時30分開場 18時20分開会 19時 狂言、能開演
場所: 国立能楽堂
対象: 学生(小学生を除く) 29歳以下に限る
申し込み:http://student-noh.shop-pro.jp/

あらすじ
 【葵上】
 光源氏の正妻・葵上に取り憑いている物の怪の正体を明らかにするために、
 女が口寄せをしたところ、源氏の愛人・六条御息所の生霊が破れ車に乗って現れた。
 かつての栄華を思い、源氏の愛を失ったことへの怨みから、葵上を打ち据える怨霊。
 果ては、深い嘆きのあまり葵上を連れ去ろうとする。
 急ぎ駆けつけた行者が祈祷を始めると、怨霊は鬼女となって行者に迫った。
 激しい争いの末、行者の法力が御息所の嫉妬の心を鎮め、ついに怨霊は成仏していく。
 
 【箕被】
 趣味の連歌に没頭する夫が、連歌の会を催す当番となり、その準備を妻に申し付ける。
 生活苦を顧みず、盛大に客をもてなそうとする夫に、
 堪忍袋の緒が切れた妻は、連歌を続けるならば離縁すると言う。
 夫は連歌を諦めきれず、その申し出を聞き入れる。
 離縁の印として受け取った箕を被り、家を出て行く妻。
 その寂しげな後姿を見た夫が、ふと発句すると、妻が巧みに返歌をした。
 妻の歌心を知った夫は、これからは夫婦で連歌を詠んで暮らそうと、妻を呼び戻す。


演者
 【野村萬
 1930年(昭和5年)六世野村万蔵の長男として東京に生まれる。
 1934年、「靱猿」の猿役で初舞台。東京音楽学校(現・東京藝術大学)卒業。
 伝統的な狂言の技能を磨く一方で、20代の頃からテレビでの狂言番組の出演や新作狂言の上演、
 70年代には「冥の会」への参加など、新しい試みにも積極的に取り組む。
 その豊潤な経験は、世阿弥の唱えた「舞歌」と「物真似」を両立させる正統派の狂言を生み出している。
 1993年、七世野村万蔵を襲名。2000年、野村萬と改名。
 重要無形文化財各個指定保持者(人間国宝)。日本芸術院会員。
 
 【宝生閑】
 1934年(昭和9年)、宝生弥一の長男として東京に生まれる。
 父および宝生新に師事。1941年、「葵上」の大臣で初舞台。
 1970年代、観世寿夫の主催する「冥の会」に参加し、
 ギリシア悲劇に出演するなど、他分野の演劇との交流も積極的に行う。
 ワキ方の本質を「耐えて、許して、慰めるもの」だと自ら語る、
 その舞台上での立ち居振る舞いは、静かで揺るぎない。
 立正大学仏教学科非常勤講師。重要無形文化財各個指定保持者(人間国宝)。日本芸術院会員。
 
 【友枝昭世
 1940年(昭和15年)、友枝喜久夫の長男として生まれる。
 1947年、「西王母」で初シテ。國學院大學文学部卒業。
 師である喜多流宗家喜多実から継承した「型」(能の身体所作)の完成度は当代随一と言われ、
 格調の高さは他の追随を許さない。
 新作能に積極的に取り組む一方、正統を厳しく継承しながら現代にふさわしい能楽の創造に徹し、
 現代能楽界を牽引する旗手たる立場を鮮明にしている。
 「友枝昭世の会」主宰。2008年重要無形文化財各個指定を受ける(人間国宝)。