気持ち悪さとかっこよさ

hanakoblog2009-11-28

森美術館「医学と芸術展」の内覧会に行ってきました。テーマ的にも、グロテスクな内容は避けられないだろうとおもい、覚悟して行きましたが、ふと油断した頃に不意打ちが訪れたりする、かんじでした。標本や解剖図、医療器具など博物学的なものと、現代アート作品の両方で織り交ぜて構成されていて、どちらも(誤解をおそれずにいえば)気持ちわるいです。その気持ち悪さというのはむろん、身体を「物質」として扱うことへの異和からくるとおもいますが、前者のはすごく即物的で、後者はその異和をあえて抽出する形で提示してくるので、右から左から攻められるかんじです。とはいえ普通に楽しめる展覧会ではあります。
ところでレセプションで、「蜷川実花デザインの、LEDつき義足」をつけている若い女性がいて、その義足が本当に彼女に似合っていてひときわ注目を集めていたのですが、帰り際、なぜか自然発生的に撮影会がはじまり、コミケのコスプレ広場でみられるような盛大なフラッシュが焚かれ、彼女も慣れているのか、ピカピカ点滅する義足をくねらせて扇情的なポーズをとったりしている、のがとてもかっこよかったです。物質としての自分、を引き受けた上ですごく存在感を放っている、という方向でのかっこよさなんだろうと思います。同じ義足が、展示室にもありましたが、アクリルケースに収まっているよりは使われているほうが格段に美しいかんじはしました。とはいえまた行くと思います。
http://www.mori.art.museum/contents/medicine/index.html