歌舞伎にさようなら

歌舞伎座建て替え前、最後の公演にいってきました。大学の恩師が河東節に出演する、ということでお邪魔したのですが、すごい建物でした。渋い。かっこいい。壊すのがもったいない。
演目は「先代萩」と「助六」でした。パッと華やかなスペクタクルで、門外漢のわたしにもふつうにたのしめる、かんじでした。門外漢も何もないだろう、と思われるかもしれないですが、建て替えられるから、と駆け込みでやってくるような人は、普段から見ている方からしたら門外漢にちがいないからです。絶妙なタイミングで「成田屋!」「高島屋!」とかかけ声を発している大向こうの人たちとか、からしたら門外漢です、きっと。ほんとうに、歌舞伎座は、建物がすごいのはもちろんですが、観客が成熟しているぽいかんじ、着物をばっちり着こなしている奥樣方、とかのコミュニティの力が感じられました。歌舞伎座というのは、建物ではあるけど、きっとこのコミュニティのことも指すのではないか、とかなんとか。それも含めて世界無形遺産、なはず。それが公共のお金ではなく、民間の会社である松竹がやっている、というのはすごいことなのではないか、と。
つぎの建物は隈研吾さんがつくるそうです。