山菜と野菜、そして雑草

越後松代へ、山菜採りにいってきました。八王子の皆さまの企画で4年連続で参加しているので、そろそろ山菜にも顔を覚えられた頃かなと思っております。ことしは寒くて、まぁ、東京でも4月に雪が降ったくらいですから、新潟はなおさら寒くて、そこここに雪が残っていました。例年はウドがたくさん採れて、抱えきれないくらいの量を背負って帰ったりしていましたが、今年は主にコゴミとフキノトウがたくさん採れて、あとはウルイが少し、という感じでした。採れてくる山菜の顔ぶれでなんとなくその年の山のご機嫌が伺える、気さえします。


これはフキノトウ


これはコゴミ。

フキノトウは、断面から揮発性のすごく良い香りがして、たくさんあると酔いそうになるくらいです。天ぷらでもおひたしでも美味。
コゴミはパッと見、ワラビやゼンマイと似ていますが、毛が生えていなくて群生します。茹でると粘り気が出て、そのまま塩でも、マヨネーズでもおいしいし、むろん天ぷらにも。
採るとき、さいしょウドが見つからず、他のものも出ていなかったので、小さすぎたり、大きすぎたりする山菜もちまちまと採っていたのですが、崖を上って沢の近くに行くとほんと、見渡す限り、というくらいにたくさんコゴミが生えていて、手に触れるものから順に採っても全く採りきれない、くらいでした。そうすると手つきがだんだん稲刈りみたいになってきて、労働だなこれは、と思ったのですが、じっさい、地元の方は山菜のことを野菜と言うそうで、確かに、野菜と言ったほうがレジャー感は減るな、と思いました。山菜は、売るとお小遣いになるので、地元の方にとってはぜんぜんレジャーではないんだろうと思います。ところどころ、単なる沢と思っても実は地元の方が山菜を栽培している「山菜畑」だったりすることもあるそうなので気をつけないといけないのですが、フキノトウは採っても怒られないそうで、それはフキノトウは地元の人にとっては「雑草」だからだそうでした。こんなに良い香りなのに。。
もっとも、山菜も野菜も雑草も、植物の中の小分類というか、あくまで便宜的なものにすぎないと思うので、それでかえって、そうか、地元の方の「便宜」とはこんな感じなのか、と。ともあれ彼らは山菜としても野菜としても、あるいは雑草と思われてようと、美味でした。


寒いと良いこともあって、まだ満開の桜が見られました。
目に春が2度来た気分。