Christophe Terlinden 訪問

Art&Artchitectureの授業の一環で、La Cambre/Espace Urbainの卒業生を訪問しました。建築家を訪ねる、みたいなことをきいていたので、建築事務所みたいなところを想像していたらむしろその人の自宅で、本人も建築家というよりは変なプロジェクトをやっているおじさん、という感じでした。

おなじみ、マックを抱えてのプレゼン。
駅舎に勝手に時計をつけたり、街に前世紀のガス灯を復活させたり、村にソーセージのブロンズ彫刻を置いたり…と、地味に面白いことをやっている人のようです。サイトはこちら
最近は、ベルリンの壁崩壊20周年を記念してブリュッセルの横断歩道の信号に、東ベルリンでおなじみ「アンペルマン」をくっつけようとしているらしいです。とはいえ、役所に「危険だから」と止められているらしく、そのうちゲリラでやるつもりとか言っていました。そんなんでいいのか。


つまりまあ、都市空間にちょっと介入するユーモラスな作風で、気づけば面白いけれどさりげなさすぎてこれで喰ってけているのか若干心配なわけですが、こういう、鼻で倒立をする少年のブロンズ彫刻とかをエディションで売って生計を立てているらしいです。"L'Equilibre sur la Mensonge"、つまり「嘘の上のバランス」みたいなタイトルで意外と弁護士とかが買ったそうです。正直な弁護士だ。


あとは3歳くらいの息子がひたすら「なぜ?」と問い続けるヴィデオとか。YouTubeじゃないので、下のリンクのほうをクリックすると飛びます。

"Mais pourquoi ?" from Christophe Terlinden on Vimeo.

この作品で、ブリュッセル郊外のGrand-Hornu の美術館で個展をしているところで、今回で初めてオフィシャルなカタログを出したらしいです。
あとは街灯の作品のときに「10年その場に設置できればパーマネントな作品と呼ぶことになっている」と言っていてそうか、そんなものか、と。都市空間に介入する作品は、気づいてもらえれば強い印象を残すけれど、人が多く行き交う場所であればあるほど、盗まれたり壊されたりするリスクも大きく、ちゃんと管理されていても行政のほうで担当者が代わったりするとちゃんと引き継がれなかったりして、案外儚いものなのだなあというのが全体的な印象。