Beirut day14 Al-Khal Brothers

ラマダン休暇が明けたので、AUBの図書館でコピーした「ベイルートの印刷所一覧」を手に、一軒一軒の印刷所に電話をかけはじめました。「アラビア文字の活字について研究しています」「今も活字のアラビア文字を持っていますか?」「持っていたら、見せてもらえますか」「はい、日本から来ました」といったことを根気よく電話先で繰返します。根気よく…と思ったものの、3軒目くらいで電話先の人が「あります。いまから来なさい」と言ってくれたので、行きました。

Phoeniciaという地区の、Hotel Radissonの向かいだから、ということでセルビス(相乗りタクシー)に乗って行きました。着いてみたら、なんと現役で活字を使っている印刷所で、オフセット印刷も、デジタル機器を用いたものも一切やっていないそうです。これは珍しい。
扱っているアラビア文字フォントは11種類。鋳造はベイルート市内で、鋳造所はもう潰れたそうです。購入したのは50年くらい前。
アルファベットのフォントは、イギリス製。
棚の下に使っていないフォントがあるので、持って行っていいと言われました。たぶんこの棚だけで飛行機の荷物重量オーバーします…。割れた&潰れたフォントもあるので、欲しかったらどうぞ、とも。優しい…。
使っている機械は、もはや定番のHeiderberg。ベルギーの学校で見たものと、日本の敬文堂印刷で見たのと同じ機種です。
図版は、"Clishé","Zincogravure"というもので刷っていて、エンボス加工もこれを使うようです。
今日はラマダン休暇最終日で(店によって休暇がちがう)誰も来ていないけれど、来週になったら機械も動いているのでまた来なさい、といわれました。急な訪問にもかかわらず、とても丁寧に案内してもらいました。