Beirut day 15 Al-Ahad House Printing Press-Azmy Al-Bahiry

電話をかけまっくてたどりついた印刷屋さん2軒目。フランス語も英語もたいへん流暢に話すおじいさんの声で、印刷屋はやめたので活字は全部捨てたが、少しとってあるものはあるので見たかったら今から来なさい、と。ということでノコノコ訪ねにいきました。
道の説明というのがたいへんわかりにくくて、というかレバノンには住所というものがなく、だいたい元○○商店(元○○というのは、内戦で爆撃されてなくなった、というイミ)のある通りの2つ目のゴミ箱を左に曲がって道路を穴を3つこえたところ、わからなかったら近くの八百屋に訊くかまた電話してね、みたいなことが多くて、そんな無茶な…と思いつつ出かけたりします。
そもそも移動手段が非常に限られていて、地下鉄とか路面電車というものが一切なく(内戦でぜんぶ爆撃されて線路跡とかいろんなところにあるらしい)、自転車は全然走っておらず、だいたいみんな自家用車か、車をもっていない人は乗り合いタクシーか乗り合いバスで移動します。タクシーは「タクシー」と「セルビス」の2種に分けられ、「セルビス」のほうが乗り合いで安いです。単価が1セルビス2000レバノンリーブル、ちょっと遠いと2セルビスで4000レバノンリーブルです。1500レバノンリーブルが1ドルと等価で、ドルで払ってもいいですが、お釣りはレバノンリーブルで出てきます。市内だとだいたい1セルビスでどこでも行けてしまいますが私は露骨に外人の風貌なので、ボラれます。どう見てもセルビスふうの中古ベンツ(だいたいがヨーロッパの古い車が安く売られてきたもの)でも「オレはタクシーだ、10,000リーブルじゃないとダメ」とふっかけてくるのでそういうのは無視して、既に何人か乗っている車に文字通り「乗り合い」させてもらうのが早いです。運転手はレバノン語(アラビア語とほぼ一緒ですが、微妙に違うので一緒にすると怒られる)しか話せないことが多いですが、値段交渉くらいはなんとかなる程度の片言の英語とフランス語はだいたい話してくれるのでなんとかなります。観光客は内戦後だいぶ減ったらしく、さらに今度はシリア内戦が波及してきていたりするので外国人はさらに減っていて、だいたいは親切にしてくれます。
とか、話は逸れましたが、そうやってセルビスに乗って言われたとおりのPhoenicia地区のラディソンホテルというところの近くおろしてもらったら、昨日行った印刷屋の隣の建物でした。印刷屋密集地域なのでしょうか。

ついたのはふつうのマンション。

中は、むかしは印刷所の事務所として使っていたところで、いまは目が不自由になってしまったので何がどこにあるのかよくわからない、とのことでした。

ふつうの生活空間のなかに、こうやって木版の活字があったり、


鉛活字の引き出しがひとつだけ突然おいてあったりします。


ちなみにこれはヘブライ文字の活字。ドイツ製らしい。ちなみに未開封


これはおじさんのおじいさんMohamed Kamel Al Bouheiryの肖像。トリポリで最初の活版印刷所を開いた人。
と、ここまできたところで出かけなくてはいけないので続きはまた今度書きます。