Jean-LouisBoissier芸大講義

ボワシエさんの通訳をしてきました。インタラクティヴアートに関する2時間半ほどの講義で、80年代にデジタルデバイスを用いた表現が出始めた頃からの一連の活動を概観しました。

そういえば3年前に同じ教室でワークショップ通訳をしたのがきっかけで通訳の仕事に興味を持ち、学外でも少しずつ訳すようになったのでした。3年前と同様に感じたのは、デジタルメディアを用いたインタラクティヴアートとはいえ、西洋芸術の伝統に深く根ざしたものとして捉えられていて作り手のほうも意識的に伝統的な問題設定に寄り添うようにして作品を制作しているのだな、ということです。またボワシエさんの場合、ちょうど時代的にフランスで映画と哲学が盛り上がっている時期に青春をすごしたので(本人談)その影響が色濃いようです。だからブレッソンドゥルーズが出てくるのですね。
個人的に非常に興味深かったのは、リスボンで発表したというインスタレーション"Les Perspecteurs"で、日本語でもパースペクティヴとか言いますが、そのパースペクトする人、つまり見る人、くらいの意味の題名で、鑑賞者がその位置に立たされるのですが、その内容はというと「受胎告知」で、登場人物はマリアに見立てられています。要するに絵画なわけです。


講義後は、学生一人ひとりの作品を見てアドバイス
関係ないですが、先生はブログをけっこうマメにつけていて、写真もキレイでびっくりします。