Lynn Hershman Leeson展、Galerie Waldburger,Brussels


シネマテークでみた!WARという映画の監督Lynn Hershman Leesonの展示とトークショーに行ってきました。
ギャラリーに行ったら、会場が変更になった旨の張り紙がしてあって、迷いつつ目的地に到着したら酒場になっていて、イベントらしきものが始まったものの「フォトショップテクニック10番勝負!」みたいなもので、張り紙の「問い合わせ先」に電話しても留守電になっていて、もうやだ遠いし帰ろう、と思ったら2階に何かやっているぽいので行ってみたらそれがLynn Hershman Leesonでした。半分くらい終っていたのですが、何やら生命科学系のことを話していて、質疑応答もあったので質問もしてきました。
トークの内容と質疑できいたこと、その後ギャラリーできいたことを総合するとどうやらLynn Hershman Leesonという方は、かなり幅広い、というかちょっといろいろやりすぎなんじゃないかというくらい多彩な仕事をしていて、「女性作家の記録を撮り続ける」というのは関心のひとつにすぎず、自分の作品的にはサイバーなものがつくりたい、ようでした。一方でGalerie Waldburgerで展示しているものは70年代に本人が作り出した偽のアイデンティティを追った写真のシリーズになっていて、これだけ見るとシンディ・シャーマンとソフィ・カルの間くらいの人に見えるのですが、こういう、アイデンティティをめぐる関心はその後テクノロジー方面にシフトしていってわりと、電子工作系のものを自作しているようでした。

彼女のサイトの"Interactivity"の項を見ると、「初のインタラクティヴ・アート・ディスク」とか「初のセクシー・ファンタジー・インタラクティヴ作品」とかあって、どれほど本気なのか不明ですがヴィデオを再生してみるとどこまでもチープな感じでかえって好感がもてる…はず。

!WARという作品はかなり個性の強いひとたちのインタビュー集でしたが、会ってみると本人もかなり濃い人だということがよくわかりました。あと、どうやら70年代とかに人権運動にハマっていた人はその後サイエンスに走る傾向にあるのではないか、という仮説が私の中で強化されました。