Puces de Clignancourt


パリでノミの市に行ってきました。ガラス乾板の立体視写真(それ用の装置を通せば3Dに見える写真)。場所も年代もわからず、相当いたんでます。というわけで資料価値はないのでしょうが、いたんでいるのが逆に儚げで個人的にはよかったりします。こういうのが二束三文で売られていて、戦災も震災も火災もなかった街は古いものが珍しくもなんともないのだな、と思います。東京ではこういうものはだいたい焼けているのでとても珍しい。
東京にいたときに写真美術館でバイトして、こういったもののスキャンを大量に見ていたのですが、保存状態が完璧なものよりも溶けかけたり、割れかけたり古すぎて色が抜けてきているもののほうが注意を引かれたものでした。そういえば昔は写真塚というものがあって、ガラス乾板で人の肖像を焼いたあとは乾板を粉々に砕いて土に埋めて塚にしたそうです。そんで後年掘りだした破片をつなげておぼろげながら顔が見えたりするのですが、それが猛烈に怖い。画像検索したら出てくるのかもしれないけれど怖いからやりません。