聞いた話4

友人Mの友人が交通事故に遭った。山から岩が落ちてきて、その岩が木に当たって、その木が道路に落ちてきたらしい。その木がバイクの上に落ちてきて彼はケガをした。
入院先に保険会社の人がきていろいろと状況を整理した。それによると木が倒れて人がケガした時は木の所有者に責任があるのだが、今回は岩が木に当たって倒れたわけなのでその場合岩の責任は誰がとるのかという問題になるらしい。こういうとき保険会社は前例を当たるのだが、木が倒れてケガをした人や岩が当たってケガをした人はいるけれど、岩が当たって倒れた木に当たってケガをした人は(彼らが調査した限りでは)これまでいないのでさてどうしますかね、という話だった。
ひとくちに岩と言ってもいろいろあって、木にしてもいろいろあるが、どちらもけっこう大きいものだったらしく彼は全身打撲とところどころ骨折をしたらしい。当たったのは枝の部分で、彼の胴体が通過したすぐ後ろくらいに幹がおちてきたのだが幹が直撃していたらまず助からなかっただろうと思われるので、岩や木が落ちてきたタイミングの悪さを差し引いても結論としては彼は運がいい男ということになっている。