ベルギーに留学して困ったこと、知っておけばよかったこと(その1)

留学をはじめてから、早いもので一年たちました。わたしも、留学する前にいろいろ調べて準備をしたつもりでしたが、それでも思わぬことに困ったり、困ってもどうすることもできなかったりしました。ベルギーに留学して困ったこと、知っておけばよかったことをまとめました。これはあくまで筆者自身の経験です。もし今後留学などを考えていらっしゃる方にとって有用であればと思って書いていますが、あくまで参考程度にお読みください。

  • 日本でのビザ申請は時間がかかる

全ては申請に必要な書類のリストをベルギー大使館で入手するところからはじまります。わたしは、ベルギー政府給費奨学金というので留学しましたが、ビザの手続き自体に関しては給費だろうと私費だろうと基本的にかわりません。警視庁に行って「無犯罪証明書」というのを入手して、外務省からハンコをもらい、聖路加病院という指定病院に行って健康かどうか診てもらって…、書類を一つずつそろえます。
大使館と警視庁と外務省の窓口時間に気をつけましょう。行く前に電話で確認すると良いです。聖路加病院は予約をしないといけないのですが、かなり先まで埋まっていることが多いので時間に余裕を…。あと健康診断料は、英文だからなのかけっこう高額でした。

  • 航空券はオープンチケットで

留学の場合、帰国日を設定するのはかなり難しいです。留学がちょうど一年と決まっていても、留学がのびるかもしれないし、帰国する前に旅行をしたくなるかもしれないし、急用で一時帰国するかもしれないし…、なので無理に決めることはありません。帰国日を後で設定できるオープンチケットにしておくとよいと思います。
帰国便のチケットを買ってあとで変更すると変更手数料が発生しますし、さいあく帰国しなくてもキャンセル料を請求されることもあります。
ベルギー政府奨学金の場合は、渡航してから払い戻しがあるので領収証をとっておきましょう。
私の場合、旅行代理店を通じてチケットを購入したところオープンチケットが買えず、なおかつ保険も充分なものがついていなかったのであとでがっかりすることに…。

ベルギーについたら現地の区役所に行って滞在許可申請をしましょう。これがとっても時間と手間がかかります。外国人担当窓口というとこは往々にして早朝から長蛇の列で、難民キャンプのような不穏な空気なので要覚悟です。
わたしは、ついてすぐにビザつきのパスポートを摺られる、という大失態を犯したので(後述)手続きがさらに煩雑になり、ほんとうは全部区役所で処理できるはずがビザの再発行のために政府の外国人管理局へとたらいまわしにされて、言われた通りの書類を言われた通りにファックスで送ってもナシのつぶてで困りました。
区によって手間が違うという説もあり、外国人の多いIxellesイクセル区は遅く、欧州委員会のあるEtterbeekエテルベーク区はわりと手際が良い、とはききます。わたしはイクセル区でたらい回しに遭ったのちエテルベーク区で、ビザの再発行無しで滞在許可証を得ました。
さらに、私はちゃんとしたマンションではなく又貸しの屋根裏部屋を借りたので(後述)そこの住所で登録できずそれでさらに手続きが困難になりました。滞在許可証のためだけにどこかに住所を借りる、というのはよくある話のようですが基本的に信頼関係がないと貸してもらえないので、行ってすぐは難しいと思います。
わたしは、ビザの「たらい回し事件」のあとうんざりしてしばらく役所通いをやめいましたが、次の留学先フランスに行くビザのために滞在許可証が必要と(7月ごろに)知って必死で取得しました。
いろいろ当たりましたがけっきょく、同じ研究室の女の子が大きな家をシェアしていたのでその一部屋を一瞬借りて申請をしました。
申請書類を出すのは簡単なのですが、出した日から2週間ほどで警察官が抜き打ちで実見に来るのでその時に居住している様子を見せなければいけません。本人がいるのが理想ですが、同居人が代わりに応えて警官が納得すればOKなこともある、らしいです。
私は申請した翌朝早くに警官が来て、友人が「代返」をしてくれました。その後警官が納得したことを証明する書類が送られてくるので、それと発行手数料を持参して役所に行って2週間ほどで証明書(といってもIDカードのようなもの)が送られてきました。留学して11ヶ月目でした。完全な不法滞在ではないのですが、はらはらするのであまりお勧めできません。
(その2につづく予定)