ベルギーに留学して困ったこと、知っておけばよかったこと(その2)

  • 住む場所はよく選ぶ

わたしは美術学校に通ったので、学校の掲示板にあった電話番号に一件一件電話しました。Facebookや不動産シェアサイトで探す人もいるらしいですが、着いてすぐはそういうものは知らずあくまでベーシックな手段に頼りました。
見学した一件目が、学校にも近くて広場から歩いていける距離の屋根裏部屋で、なんだかアールヌーボーな感じの木製螺旋階段があったり、階段の終わる先がステンドグラス(少し割れてるけど)だったりしたあたりが魅力的に映り、値段も高くなかったのですぐに入居しました。
入ってすぐに、インターネットがどうやら野良らしいことがわかりました。つまり隣の家のwifiが拾えているだけで、自分たちで契約しているわけではないのでその隣人が旅行に出たりするといきなりインターネットが切れて困ったことになったりしました。かといって、自分で契約しようと思ったら「滞在許可証」がないといけないので自分ではできず、けっきょく家のネットが弱い日は学校や人の家でメールチェックを済ませていましたが、やはりいまどきこの状況は不便でした。朝おきて、パソコンをひらいて、メールをチェック…ではなくとりあえずインターネットが通じているかどうかを確認して、それで学校にパソコンを持っていくかどうかを決めたり…まあとにかくなにかと不便でした。
あと、暖房があるかどうかも重要です。私は屋根裏部屋を2つ借りていたのですが、片方の部屋に暖炉的なものがあり、寒くなってきたらほんとうに暖炉がないと過ごせなくなりました。しかし暖炉の燃料は自分で調達しないといけないので、道を歩いて木箱が落ちていたら拾って持って帰りました。野菜や果物の運搬には簡素な木箱がよく使われるのですが、日が落ちたらそれをバキバキと割って燃やして暖をとります。
最初は暖炉の火がエキゾチックな感じがして積極的に燃やしていましたが、じつはその小さな暖炉では部屋全体をあたためきれず、よく風邪をひきました。風邪は、重いと2週間くらい使い物にならなくなるのでおすすめできません。あと異国で病気になるといろいろ大変です(後述)。私が特に寒がりなのかもしれませんが、一番寒い時期は電気毛布を敷いて寝袋に入り、毛布を2枚かけてさらに湯たんぽを使ってほとんど山小屋で暮らしているようなものでした。ああ寒かった。
あと、住んでいる住所で滞在証明書が取得できるかどうかチェックしましょう。又貸しの場合は住所をもらえません。私は、まあなんとかなるだろうと思って入居しましたが11ヶ月間なんともなりませんでした。

不都合がある、とわかった瞬間に引越すのが理想的ではありますが、学校が忙しかったり、あちこち旅行していたり、まあ一年間だしいいかと思ってしまったりもしますが、不便なものは不便なので、最初のときに自分として譲れない条件と予算を決めてちゃんと探すのがほんとうのところは理想的だろうと思います。まあその理想どおりというのをベルギーに求めるのが難しいわけですが。